世界はドドドとガガガでできている!?福岡県建設産業魅力発信サイト

ゲンバをフカボリしてみよう!

土木・建築の業界には、いろんな技を発揮してゲンバを動かす29の業種があります。その中から5つの業種をピックアップしてご紹介します。

  • とび
  • 鉄筋工
  • 型枠大工
  • 左官
  • 基礎工事
とび
フカボリした人、本田孝俊吏さん

高所作業での足場を組むとびの会社「本田組」の本田孝俊吏さん。同じとびでも得意とするゲンバが違うそうですが、本田組さんではマンションなどの工事現場で必要な足場を立てる仕事を專門にしているそうです。

集合住宅の建設ゲンバへレッツゴー
リポーター ケンゾー

福岡市東区で建設が進んでいる8階建ての集合住宅。現在、3階までが形になっていて、4階を造る工事が進んでいます。

まずは知っておきたいとびの基礎知識とは!!

とびの方々が足場を造ってくれなければ高いところの工事ができませんし、建物が完成しないと足場は外せません。つまり、建物を建設する際、最初から最後まで関わる仕事なのです。工事現場の高所作業は安全第一。いろんな業種の方々がこの足場を利用して作業されるので、その安全を確保するためにも、足場をしっかり造ることが大事なのです。

足場の主な3種類
枠組み足場
枠状の部材をメインに使った足場。強度が高い
くさび緊結式足場
部材をくさびで緊結してつくる足場
単管足場
パイプを組み合わせてつくる自由度が高い足場

工事のゲンバ、間近でみると迫力満点!

ロングエレベーターに乗せてもらいました! これに乗って職人さんがゲンバに上がったり、材料を運んだりするそうです。風をダイレクトに受けるので振動もすごい。普段乗っているエレベーターとは別物です!

見えているのは4階部分の床!

これから5階を工事するために、まずはとびの皆さんが足場を組んでいくそうです。

①足場板や骨組みなどの材料を上げていく職人 ②それを受け取って足場を組み上げていく職人 ③さらに、一旦設置した設備をしっかり固定していく職人

それぞれが、連携しながら作業をしています!

特に足場を組み上げていく職人さんは、落下防止のためフルハーネスで体をしっかりと固定してスイスイと組み立てていきます!
マンションなどであれば大体ワンフロア3m! だから4階だと12mぐらいの高さになるそうです。

職人歴27年の佐藤さんの指導のもと、手すりになる建地たてじ部分を渡す作業に挑戦させてもらいました。皆さんヒョイと上げてましたが、いざ持ってみると重いし、バランスをとるのも難しい! なんと1つが15kgの重さがあるそうです。

聞かせて!仕事の“大変なこと”や“やりがい”

建物はいろんなカタチをしているので、ゲンバごとに足場の造り方も変わってくる。例えば、バルコニーがユニークなカタチをしていると、そこを避けて足場をつくる計算が必要です。いかに出来上がりを想像するかが大事です。また、足場を組む作業は、一人で出来るものではありません。連携が大切です。重量のあるものを手渡していくので、声掛けをひとつ間違うと危険なことになってしまいます。作業の安全性を確保していくことも必要です。

フカボリbefore、after

before
工事ゲンバは遠くから見たことはありますが、中から見るのは初めてでワクワクします。とび職って仕事もよくわからないので学んでみたいです。
after
足場の資材持ち上げに挑戦しましたが自分は全然ダメ。体格はほぼ変わらないのに、職人さんの体使いや体力は、まさに勇者。

もっと詳しくはこちらの動画でチェック

鉄筋工
フカボリした人、山本悠也さん

笑顔が印象的な鉄筋工の山本悠也さん。見た目はとっても細身なのですが、力仕事をスイスイこなされています。

集合住宅の建設ゲンバへレッツゴー
リポーター ケンメイ

田川市の某所で建設されている鉄筋コンクリート造の食品工場のゲンバ。建物の骨組みをつくる鉄筋工事中の様子をフカボリさせてもらいました。

まずは知っておきたい鉄筋工の仕事とは!!

鉄筋工は、鉄筋コンクリート造の建物の骨組みを造る仕事です。鉄筋は、建物が完成するとコンクリートに覆われてしまうので、目にすることはできませんが、主に床や壁、柱などのコンクリートの中にたくさん張り巡らされていて、建物の強度を決める重要な役割を担っています。鉄筋がしっかり組まれていないと、地震の時などにきちんと力を発揮する前に建物が壊れてしまう危険性もあります。

壁・床を造る工事の流れ

鉄筋工が網目状の骨組みを造り上げると、次に型枠大工が型枠を固定し、コンクリートを流し込むことで建物の形が造られていきます。

建物の床の鉄筋骨組みを造る作業中!

意匠図や構造図に沿って造られた施工するための図面。鉄筋をどういう風に組んでいくか、本数や間隔などが細かく指示されています。

1フロアでおよそ1000本くらいの鉄筋が!

今回のゲンバでは、建物全体でおよそ重さ200tの鉄筋が使われます。作業はハンドルという道具を使って一つひとつ建物の図面に沿って鉄筋を曲げて加工していきます。

次は、鉄筋工ならではの道具“ハッカー”で鉄筋と鉄筋を結束けっそくしていきます。

張り巡らされた鉄筋の骨組みに、この後、コンクリートが流し込まれます。この骨組みがしっかりしていないと、コンクリートにヒビが入ったり、割れやすくなったりします。これだけの広さを固定していくには速さが必要!

鉄筋を曲げる加工に挑戦させてもらいました。まずは、加工に使うハンドルという道具が重い! テコの原理だそうですが、こんなものを曲げられるとは気持ちいいですねー。

聞かせて!仕事の“大変なこと”や“やりがい”

やはり工事のゲンバは、寒かったり、暑かったりするのが大変です。また、建物をつくる最初の最初になるので、足元も整っていなくて作業も難しいことが多いです。それだけに、鉄筋がきれいに組み上がった時は嬉しいですね。

before
自分は、舞台とか芸能とか、表の世界に憧れています。建設産業は裏方というイメージで、正直ほとんど知りません。
after
いろんな建物に使われているコンクリート。それを支えているのが鉄筋。今回初めて学びましたが、頑丈で安心な建物は、鉄筋工の皆さんのお陰です。

もっと詳しくはこちらの動画でチェック

型枠大工
フカボリした人、新村直大さん

ゲンバで型枠大工を統括する責任者。業界歴は8年。実はその前は、格闘技の選手として活躍されていた強い体の持ち主です。

複合商業施設の建設ゲンバへレッツゴー
リポーター ミルア

西区姪浜に開業予定の5階建ての複合商業施設。これまでにないオシャレな設計で、型枠工事を担当する福島工務店さんの社歴の中でも、一、二を競う高い技術が求められているゲンバだそうです。

まずは知っておきたい型枠大工の基礎知識とは!!

型枠大工は、一言で表現するとコンクリート専門の大工。設計図をもとに、柱の位置や窓の位置を考えながら、コンクリートを流し込むための枠を組み立てていきます。型枠大工は、商業施設やマンションなどの建物の型枠だけでなく、高速道路や橋、ダム、トンネルなどコンクリートを使う場所ならどこでも必要になる仕事です。

高所作業では、墜落などを防ぐために“フルハーネス型安全帯”を着用して工事されているそうです。

この板こそが型枠です

図面に描かれている壁の位置に合わせて、一枚ずつ正確に型枠の枠を建て込んでいきます。

この型枠の合間にコンクリートを流し込んで、固めて、壁を造っていきます。

設計図に合わせて型枠のサイズや枚数を計算するのも型枠大工の仕事。図面を読み解く力も求められます。

大変なポイントは、型枠の合間に隙間ができないようにしっかり造ることです。コンクリートは固まってしまったら後戻りできないので、緻密なつくりが求められます! 1mmでもずれると窓の位置に影響が出てしまうんです。

型枠の壁を建て込む作業にトライさせてもらいました。隙間ができないように釘を打ち込む。ただ、それだけの作業のようですが、ていねいさが求められるなかなかに難しい作業でした。

聞かせて!仕事の“大変なこと”や“やりがい”

型枠にズレがあると、その後のコンクリート作業をはじめ建物全体に影響が出てしまいます。だから、少しの間違いも許されない責任感のある仕事。この仕事は、一人ではできません。それだけに、仲間と共に力を合わせてつくり上げる喜びがあります。建築に関わって思うのが、一つひとつの建物に物語があることです。これからも、物語の詰まった建物をたくさん残していきたいです。

フカボリbefore、after

before
高いところで作業したり、大きな音がしたり、工事のゲンバはちょっと危険で、スリル満点!?
after
ちょっとだけですが作業を体験させてもらって、その難しさがよくわかりました。これだけ大きなゲンバを任せられるのは、大変そうだけどやりがいも大きいんだろうな〜。

もっと詳しくはこちらの動画でチェック

左官
フカボリした人、道下幸二さん

ゲンバを仕切るのが左官職人歴30年の道下幸二さん。左官の仕事は、人の手で繊細に仕上げるので機械化が難しい仕事。まさに職人技が求められるゲンバです。なかでも、道下組さんはデザイン性の高い左官を得意とされています。

和菓子店の建設ゲンバへレッツゴー
リポーター コウキ

観光客で賑わう博多駅前のホテルの1階にもうすぐオープン予定の和菓子屋さん。こだわりのデザイン空間の仕上げとして、左官作業が行われています。

まずは知っておきたい左官の基礎知識とは!!

左官工事とは、漆喰やモルタルなどの素材を、主にコテを使って壁や床に塗って仕上げていく工事です。壁や床を塗る工事といえば塗装もありますが、左官は仕上げるまでの工程が多く、仕上がりに表情ができるのが特徴です。デザインの自由度が高いのも魅力です。

左官は1300年ぐらいの歴史のある仕事。もともとは社寺仏閣の壁を塗ることからはじまり

左官の工程は……
下地処理や下塗りをしてまずは下地を整えます。その上で、上塗りの素材で仕上げていきます。この仕上げの塗りが、職人の腕の魅せどころです。
今回のゲンバは、壁だけでなく床も左官で仕上げる予定。左官工事の中でも人気の風合いのあるアート風な仕上げを採用しています。フラットなのに、独特な色合いのムラが出て洗練された空間になります。

足場の主な3種類

左官職人に欠かせない道具がコテとコテ板。コテ板に材料をのせてコテで上手に塗っていきます。コテは材料によっても、仕上げの手法によっても違うそうです! 新しい塗り方に挑戦する度に、コテの種類も増えていくそうです。

左官の工程は簡単じゃない!

只今、仕上げの最終段階、研磨の作業中!
細かな部分も職人が手作業で、ていねいにていねいに仕上げていきます。

見た目以上に道具が重たくて、これを上手に使いこなしているのはすごい。ちょっとだけでも塗れた時の達成感はありますね。

聞かせて!仕事の“大変なこと”や“やりがい”

仕上げの良さにクライアントや設計の方から、こんな壁の仕上がりが欲しかったんです!
と、喜んでもらえるとやっぱり嬉しいですね。ほとんどのゲンバでは、作業に与えられる時間が限られています。その中でよりよい仕事をするために、経験や技術を常にアップデートしていきたいと思っています。

フカボリbefore、after

before
建築の仕事は、重たいものをもったり危ないところにも行く。タイヘンな職場のイメージでした。
after
左官の作業は、体験だけでも楽しさややりがいをみつけられました。本職にするときっと、さらに奥深さがありそう。

もっと詳しくはこちらの動画でチェック

基礎工事
フカボリした人、緒方慎吾さん

九洲日東さんは建設産業において基礎工事を行っており、主に杭打ちや土留工事を専門とされている会社です。緒方さんは工事の管理を担当されています。

北九州の道路工事ゲンバへレッツゴー
リポーター コノミ

道路を広げるための基礎工事を行うゲンバ。道路になる予定の場所に、箱型のコンクリート構造物を埋めて、今流れている川を通すそうです。今日は箱型の構造物を土の中に埋めるために、必要な「土留工事」を行います。

まずは知っておきたい基礎工事とは!!

構造物を支える土台づくりをするのが基礎工事です。その名の通り、地面と建物のつなぎ部分にあたる“基礎”を造ります。例えば、地震が起きた時に、土台がしっかりしていないと建物はすぐに倒れてしまいます。建物を造ったり、土木の工事をするときに、なくてはならない工事です。杭は目に見えない地中深くに埋まっていて、構造物を支えています。また土留は土の崩壊を防いでいます。

今回のゲンバでは、基礎工事の中でも地盤を掘るための「土留工事」の作業中! 土留壁を作るためにをまずは掘削していきます。

25年のベテラン職人

加藤さんは難しそうな操縦をとってもカンタンにやっています。

掘削のゲンバを拝見

小型杭打機といって、地中に穴を掘る機械です。九州に2台しかない希少なモノです。

このスクリューの部分がぐるぐる回って穴を掘っていきます。今回のゲンバでは8mの穴を掘ります。これだけの穴を掘るのに、30分〜40分はかかります。
中は時計回り、外は反時計回りでぐるぐる回って掘削していきます。
スクリューのまわりに付いているのがケーシング。まっすぐな穴が掘れるようにガイドします。

重機を動かすためには合図者と言って、安全を確認して合図を送る人が必要です。

こちらが実際に掘った穴!!

落ちたら上がってこれなくなりそうな深さです。これから、さらに4m深く掘るそうです。

重機の操縦を間近で見せてもらいました。操縦席には、モニターもレバーも、ボタンもたくさん。モニターで前後左右を確認したり、レバーを引いたり、どこまで掘ったかの数字をチェックしたり、操縦は大忙しです。

聞かせて!仕事の“大変なこと”や“やりがい”

基礎工事は、上物の建物のように目に見えるものではないので一見目立たない仕事です。しかしどんな大きな建物も、基礎で支えられていると思うと“やりがい”を感じますね。基礎を造ったら、次の工事に引き継ぐわけですから、そのバトンをしっかり渡せる工事ができた時は嬉しいです。

フカボリbefore、after

before
まだまだ働く年齢ではないので「仕事をするって、どういうこと?」と思っていました! もちろん、基礎工事ってナニ? ナニ? 全くわかりませんでした。
after
「誰かのためになることを」と考えて皆さんが仕事をしているのが新鮮でした! 見えないところを支える仕事ってカッコいい。

もっと詳しくはこちらの動画でチェック